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ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

坊っちゃん(夏目漱石)

漱石文学への入門といえば、やはり『坊っちゃん』だろう。
江戸っ子の「おれ」が、四国は松山を舞台に繰り広げる「熱血教師」物語(漱石は松山中学で英語の先生をしていたことがある)とでも云おうか。
それにしても颯爽とした快男児ぶりはもとより、作品の文体とテンポが心地よい。宿直時に生徒の悪戯で、布団の中にイナゴを入れられ、何でバッタを入れた、と問い詰める坊っちゃんに生徒が「そりゃ、イナゴぞな、もし」とやりこめる。

「べらぼうめ、イナゴもバッタも同じもんだ。第一先生を捕まえてなもした何だ。菜飯(なめし)は田楽の時より外に食うもんじゃない」とあべこべに遣り込めてやったら「なもしと菜飯とは違うぞな、もし」と云った。いつまで行ってもなもしを使う奴だ。

さっすが漱石さん、落語好きだっただけありますがな、もし。

坊っちゃん改版


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